2022年2月に発売されたPanasonic 10.8V充電インパクトドライバー(EZ1P31)の紹介・レビューです。このインパクト、10.8Vで軽量にもかかわらず、なんと18V並みのパワーを持っています。これからの電動工具は10.8Vが主力となる、そんな気概を感じさせる商品になっています。バッテリー付きなどのセット品が割安でお得ですが、マルチライト付セットはかなり値引き率が高いので特におすすめです。
10.8Vの立ち位置としては7.2Vと18Vの中間というイメージですが、おおまかな性能を比較すると
最大トルク比較
7.2V ペンインパクト : 25N・m
10.8V インパクト : 110~140N・m
18V インパクト : 160~180N・m
一般的なものはこのようになっており、中間というよりかなり18Vに近いことがわかるかと思います。ものによっては10.8Vながら170N・mのものもありますが、18Vと同じ型なので重量もそれなりにあるという感じです。
さて、そんな中このPanasonicのEZ1P31はどうかというと・・・
なんと165N・mのハイパワーとなっています。
大きさはこんな感じで重量は約1.1kgです。この10.8Vだけの独自形状で、全身ラバー素材なので耐久性があります。速度調整機能もなくシンプルな見た目ですが、実際に使ってみると汚れや傷に強く、汚れても綺麗にしやすい形状をしています。
18Vと比べると、主にバッテリーと本体下部の部分が小さくなっていることがわかります。バッテリーは容量自体が小さくなっていますが、2個あれば1日は十分持つので問題ないでしょう。18Vは速度変更や電子制御などの高性能な機能があるので間違いなくこちらの方が作業品質はいいのですが、常に持ち歩いて何度も使う状況ではやはり軽さと取り回しの良さが一番重要です。なのでペンインパクトを携帯している人が多いですが、テクスビスを打つ時などちょっとパワー不足だなぁと感じたことがあるかと思います。
そこで最近選択肢に入ってきたのがこの10.8Vで、単純に10.8Vの性能がかなり上がってきたこともありますが、電ドラボールのような電動ドライバーが出てきたこともあり
簡単なネジ回しはこの電ドラで、もう少し力がいるボルト回しや穴あけは10.8Vで、というようなペンインパクトを持たないスタイルが汎用性が高く使用者が増えてきています。
このEZ1P31はパワーが18V並みにあるので木ビス、テクスビス、硬い材質へのビス打ちも問題なくこなせます。速度変更機能はありませんが個人的にはインパクトで速度変更は必要ないと思っており、またトリガーだけの速度調整で18Vよりもゆっくり回すこともできるので、細いビスの最後の締付もこなすことができます。
トルクの話をする前に各メーカーで謳われている最大締付トルクについて話をすると、この数値は高力ボルト(M14やM16)で約3秒間締付けた場合という条件の最大数値なので、一般的な普通ボルトではこの半分くらいの力しか出ません。なので110N・mのインパクトを買ったけど車のナットが外せない・緩い!なんてことが起こるわけです。
実際にこのEZ1P31で車のホイールナットで試したところ、100N・mで締付けたナットはギリギリ外せました。またインパクトで締付けたナットをトルクレンチで測ってみたところ、大体95N・mくらいで締まっていました。実用的には必要十分ですね。
Panasonicは高トルク競争からは離脱した印象でしたが、小柄な10.8Vでこれだけの性能を持たせたのは意外でした。18Vはトルクを落とし汎用性を広げ、10.8Vは軽量で高パワーという、過剰な力は持たせず実用的な範囲で利便性を追求しているといった感じでしょうか。
穴あけについてはインパクトはあまり得意ではありませんが、Φ6mm程度までであれば問題なくあきます。それ以上はキリの寿命を縮めるので素直にドリルドライバーを使いましょう。
あらためてこのEZ1P31の性能をまとめると
重量:約1.1kg
トルク:最大165N・m (実用100N・m程度)
とまさに軽量&パワーなインパクトドライバーになっていますね。
バッテリーについては、「今18Vを持っているからインパクトも18Vの方がいい」という考えと、「18Vはドリルやら掃除機やらライトやらで使うから、独立して使える10.8Vの方がいい」という考えがあると思います。自分は後者で、今後の10.8VのEXENA Lシリーズの伸びしろに期待して10.8Vのフルセットを今回購入しましたが、18Vにはない使い勝手の良さを実感しておりこの10.8Vシリーズはかなりおすすめしております。
以上
ご購入検討の参考になれば幸いです。